婦人科の腹腔鏡手術|TOP > 腹腔鏡下手術による子宮頸がん治療
安藤正明(倉敷成人病センター理事長)は、婦人科悪性腫瘍の腹腔鏡下手術を確立した国内の第一人者といわれる一人。国内外で高い評価をいただいております。日本内視鏡外科学会および日本産婦人科内視鏡学会の腹腔鏡技術認定医、日本婦人科腫瘍専門医でもあります。
全腹腔鏡下手術は年間1600症例、婦人科がんではこれまでに1300症例を超える子宮・卵巣がんの実績があり、他院紹介の難症例の手術も数多く施行しています。また、浸潤が認められる子宮頸がんの腹腔鏡子宮温存術後に妊娠した症例は、国内初の快挙。最も権威のある国際学会でも10年連続で学会賞を受賞するなど、医療界でも多くの評価をいただいています。世界トップレベルの高度な技術で、さまざまな患者さんのご要望に対して最良と考える治療を行っています。
腹腔鏡下(ロボット支援含む)手術による子宮頸がん治療
子宮体がんの手術療法には、開腹手術と腹腔鏡下手術があります。安藤正明は、開腹手術はもとより腹腔鏡手術また腟式手術などあらゆる低侵襲手術を数多く手がけています。
子宮の切除部位や周辺の組織・臓器の切除範囲によって術式は異なります。術式は、がんの病期(進行具合)を基準として、がんの部位、合併症の有無、患者さんの年齢、患者さんのご希望などから総合的に判断します。
病期(進行具合)を基準とした術式
病期 | 段階 | 適用される術式 | |
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0期 | 上皮内がん:がん細胞が子宮頚部の上皮の中に留まり、浸潤していないもの | 腹腔鏡下単純子宮全摘術(子宮を摘出) 腟式単純子宮全摘術 |
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Ia1期 | 深さ3mm未満、幅7mm未満の拡がり | 腹腔鏡下広汎性子宮全摘術(子宮とともに腟や卵巣、卵管など周囲の組織も広い範囲で切除) | |
Ia2期 | 深さ3-5mm、幅7mm未満 | 腹腔鏡下神経温存広汎性子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 | |
Ib期 | Ia期より広がっているが、腫瘍組織が子宮頸部に留まっているもの | 腹腔鏡下広汎性子宮全摘術 (径2cm以内は骨盤神経温存術式) |
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II期 | 頸部の外へ広がっているが、骨盤壁、あるいは腟壁の下1/3に達していないもの | 腹腔鏡下広汎性子宮全摘術+傍大動脈リンパ節郭清(切除) | |
III期 | がんが骨盤壁までに達しているもの、あるいは腟壁の下1/3を超えているもの | 放射線化学療法 | |
IV期 | がんが骨盤を超えて広がっているか、膀胱、直腸の粘膜にも進展しているもの | 放射線化学療法、化学療法(抗がん剤治療) |
妊娠を望まれる患者さんへ
がんの病期にもよりますが(IA2~b1期で長径2.5cm未満)、将来妊娠したいという強い希望がある患者さんには「広汎性子宮頸部切除術」を施行する場合もあります。子宮体部を残し頸部のみ切除する手術方法であり、妊娠の可能性を残すことができます。将来妊娠のご希望がある患者さんは安藤正明までご相談ください。患者さんの妊娠・出産への希望をつなぐお手伝いをいたします。
合併症
広汎性子宮全摘術は子宮周囲の組織も広く切除し、また広汎な骨盤リンパ節郭清をともなうため、術後の膀胱障害(骨盤神経を切断するため)、腟の短縮による性交障害、またリンパ嚢腫、リンパ浮腫(リンパ節郭清)を起こす可能性があります。対応策としては、若年の方には腟延長術をおこなっています。リンパ浮腫には専任の理学療法士が対応いたします。